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北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録 古川勝久著 新潮社④


5 化学兵器はシリアを目指す


--- 2011年3月から始まったシリア内戦において、アサド政権の兵器製造・開発に重要な役割を担っていたのが北朝鮮である。

 地中海に面したこの国連加盟国では、これまで複数回にわたって制裁違反の多様な兵器関連物資が押収されていた。2009年11月にはシリア向けコンテナの中から、化学防護マスクをはじめ、大量の化学防護服や化学剤検知器などを押収していた。1万4000着もの防護服や検知用の小型ガラスチューブ2万4000本などが入った貨物───送り状には「作業用防護服」とだけ書かれていた。

 摘発は2年以上前だが、政府側の様々な事情があり、専門家パネルとしてすぐには捜査を始められなかった。国連では、加盟国内の司法手続きなどを尊重せざるを得ないため、忍耐が必要なのだ。同年9月には、同じ化学防護服8000着が中国からシリアに向かう途上の韓国で押収されていた。--- 北朝鮮は、もはや弾道ミサイルそのものは輸出しない。容易に摘発されてしまうからだ。代わりにミサイルの原材料や部品を工作機械とともにシリアに送り、技術陣も送り込んで現地生産しているとみられる。個々の部品自体は大半が市販品で禁輸品には該当しない。途中で貨物検査されても、非合法貨物とは判別しにくい。北朝鮮は、こうして制裁網を潜り抜けようとしているのだ。---


 欧州の情報当局によると、このアレッポの企業は「シリア科学調査研究センター(SSRC)」のフロント企業だという。SSRCは、シリアの弾道ミサイルや生物化学兵器の研究・開発・製造を担う重要組織だ。シリアは北朝鮮の最も緊密な取引相手であり、SSRCは最良の顧客である。

 また、欧州の情報当局によると、船荷証券に書かれている「荷送人」「着荷通知先」「梱包明細書の作成者」はすべて、国連決議で制裁の対象になっている北朝鮮の「朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)」の関連企業だそうだ。しかし、物的証拠はないという。---


 一連の事件に関する専門家パネルの捜査に対して、シリア政府は見事なくらい非協力的である。当初はだんまりを決め込んで協力要請を完全に無視していたが、そのうち、嘘を平然とつくようになった。---

 さらに驚いたのは、中国やロシアの反応である。「化学防護服などは、警察や消防も使用するものだ」「攻撃用ではなく、あくまでも防護用の物資だ」「したがって、安保理決議が禁止する『武器及び関連物資』には該当しない」───両国の関係者は、ありとあらゆる屁理屈をこねて、「これは制裁違反ではない」と言い張り、シリアを徹底的に守り続けた。---

 シリア内戦が激化の一途を辿り、アサド政権を認めない欧米に対し、政権を擁護するロシアの対立が激しさを増している最中だった。この国際政治の構図が、そのまま制裁違反事件の捜査に反映されたわけである。

 結果として、北朝鮮による化学防護服や化学剤検知器の輸出が制裁違反なのか、国連安保理では何ら結論が出ないままに議論が終わった。中ロ両国による反対によって、安保理では合意できなかったのである。---


 2015年10月。同僚のヤンワンが、ついに朝鮮鉱業開発の捜査にケリをつけてくれた。彼は、私にとって3人目の韓国人の同僚である。韓国企業がらみの事件捜査を妨害した前任者とは違い、非常に優秀な外務官僚だ。彼がこの捜査を引き継いでくれたおかげで、2012年から始まった国連の捜査がついにゴールインしたのだ。

 ヤンワンが解明した朝鮮鉱業開発の中国ネットワークは、予想よりも大掛かりで複雑だった。中国本土では、大連と丹東で少なくとも4社、そして香港でも5社のフロント企業が存在している。疑惑をもたれる企業も含めると、10社は超えそうだ。---

 ただし、このネットワークの中心にいる蔡光や朴承源、李紅日について、中国政府は一切情報を提供しなかった。顔写真や旅券番号さえ入手できずじまいだった。従って、彼らの海外渡航を制限しようにも、関係国の出入国管理当局に提供できるような充分な情報はなかった。---




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 シリア難民の置かれている現状と、アサド政権が取っている行動は別問題と考えなければなりません。

 何時の時代も、政権に翻弄されるのは市民です。

 かつての日本も、同じだった。




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北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録 古川勝久著 新潮社③


4 「抜け穴」は霞が関でつくられる


--- 東京都新宿区にあるE社は小さな有限会社だ。かつて北朝鮮と取引を行っていたが、2009年6月には外為法違反容疑で取締役が逮捕された(後に懲役2年執行猶予4年の有罪判決を受ける)。E社にも7ヵ月の輸出禁止という行政処分が下された。

 罪状は、北朝鮮の指示により、ミャンマー向けに軍事転用可能な製品を不正輸出しようとしたこと。E社は2008年6月から2009年1月の間に、LCRメーターや小型円筒研削盤、直流磁化特性自記装置という核開発またはミサイル開発に転用可能な高価な機器を日本からミャンマーに不正に輸出しようと数回にわたって画策し、うち3回は輸出に成功していた。さらに取締役が逮捕された時には、ミサイルのジャイロスコープシステムに使用可能な部品なども保管していたのである。E社はある北朝鮮のフロント企業「東新国際貿易有限公司」の指示に従って、これらの犯行に及んでいた(他にも日本企業2社が不正輸出に協力し、代表者2名が逮捕、有罪判決を受けている)。

 東新国際貿易は中国企業と北朝鮮企業の合弁企業。表向きは香港で登記されたフロント企業を本社としつつも、実際の業務は北京支社で行われていた。E社の取締役に指示を出していたのも北京支社である。

 この会社の香港の登記簿には、「韓哲」と「朱玉姫」という人物が、株主兼代表として記載されていた。---

 日本の当局によると、ミャンマー側の荷受人はミャンマー軍需産業総局(Directorate of Defense Industries in Myanmar/DDI)。2012年7月にこの組織を単独制裁した米財務省によると、これはミサイル研究を行うミャンマー軍の組織であり、北朝鮮の軍事専門家がここを訪れてミャンマー国内で技術協力をしていたとされる。---

 また米財務省によれば、2008年11月下旬、ミャンマーの軍事代表団が平壌を訪問した際、ミャンマー軍による液体燃料式中距離弾道ミサイル開発への支援を取りつけたという。---



 話を日本の貨物検査に戻そう。

 2013年3月、日本政府は、検査したコンテナ貨物の中からアルミ合金の棒5本を取り出して、一定期間保管したのちに没収した。ところが、他の金属は、台湾の運航会社の日本支社に返却してしまった。中には、通常兵器の製造に使用可能な金属もあったように思われたが、「貨物検査法の禁輸品目リストには該当しない」と判断されたのである。--- 

 2009年に採択された安保理決議1874号の第9項と第10項では、北朝鮮が関わる「すべての武器及び関連物質」の移転の阻止が義務づけられている。日本の貨物検査特別措置法では、この義務は部分的にしか果たせなかったわけだ。---


 2013年以降、専門家パネルはミャンマー政府に対して、この核関連物資押収事件および北朝鮮との軍事協力について公式照会を何度もしたが、なかなか返事は得られなかった。軍が実権を握る政権は無視し続けていたのだ。---

--- 安保理は決議2321号を採択した。そこで新たに国連制裁対象に指定された個人の中に、駐ミャンマー北朝鮮大使「キム・ソクチョル」が含まれていた。彼はミャンマーの軍部と、北朝鮮の悪名高き武器密輸企業「朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)」との間の取引を仲介していたのである。朝鮮鉱業開発も、2009年に国連の制裁対象になっている。

 その後、ミャンマーはキム・ソクチョルを国外追放したが、ミャンマーと朝鮮鉱業開発との関係はこれで終わりではなかった。

 2017年6月9日、北朝鮮外交官の「キム・ソクチョル」が家族とともにミャンマーを出国した。表向きは、在ヤンゴン北朝鮮大使館の二等書記官として赴任していたが、実は彼も朝鮮鉱業開発の関係者だったのである。他国からの要請を受けて初めて、ミャンマー政府は彼を国外追放した。

 政権交代から1年半が経過しても、ミャンマーと北朝鮮の武器密輸企業との関係は続いていた。その関係が終わったとの保証は、ない。



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 この本を読んでから、新聞の海外ニュース欄に書かれている記事の内容が少しだけ分かるようになりました。

 正確に言い直すと、新聞記事には書かれていないであろう内容を、想像することができるようになりました。

 北朝鮮がらみの記事は、伝わったことだけを書いているようですが、それだけでは何のことだか全く理解できないことが多い。

 そのわけが、この本を読んで、すっかり理解できました。

 どうやら私たちは、何も知らされていないし、何も知ろうとしていないようです。


 

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北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録 古川勝久著 新潮社②


3 台湾というブラックホール



--- 北朝鮮が核実験やロケットを発射しても、世界が彼らを注視するのは、ほんの数日だけ。他方、イランは核兵器をまだ持っていないのに、欧米や中東は高い関心を継続的に持ち続けている。

 国際社会の関心が低いのをいいことに、北朝鮮は国連の制裁網を巧みにかいくぐりながら、粛々と核・ミサイル開発を進めてきた。発射されたばかりの銀河3号ロケットには、様々な外国製品が使用されていた。その中には、ここイギリスから台湾経由で大量に仕入れた重要部品も含まれていたのである。

 北朝鮮にとって台湾は重要な物資調達ルートである。「一つの中国」との原則を掲げる中国の強硬な反対により国連の加盟を認められていない台湾は、制裁網の大き抜け穴になっているのだ。中国の強い圧力により、国連は台湾との接触を禁じられているため、台湾当局から情報をとることができない。しかも台湾は北朝鮮との間に緊密な経済関係を有しており、毎年、平壌の国際商品展覧会には、企業団が参加している。---


--- 「トランスメリット社」の代表である台湾の実業家・蔡顕泰(アレックス・ツァイ)は、北朝鮮との大量破壊兵器関連の不正取引事件で大きな役割を果たしていた人物である。--- さらに蔡の率いるトランスメリット社は、日本からの不正輸出事件にもかかわっていた。

 例えば、国際原子力機構(IAEA)が2007年に北朝鮮・安寧のプルトニウム再処理施設を査察した際、日本製真空ポンプと、真空ポンプが組み込まれた日本製の真空排気装置本体が見つかっている(「読売新聞」2008年7月3日付)。これらは、1989年から1992年にかけて、神奈川県相模原市のポンプメーカーから日本国内の北朝鮮商社を通じて北朝鮮に輸出されたもので、その後、交換部品はトランスメリット社が型番指定でメーカーに発注していたという。---

 蔡は、2011年頃、北朝鮮からシリア向けの化学兵器関連物資の不正輸出にもかかわっていたとされ、この非合法貨物は日本の貨物船に積載されシリアに向けて輸送されていたところを摘発されている。---


 2012年のある日、台湾で輸出管理に関する国際会議が開催されるとの情報を得た。台湾当局者と、非公式ではあっても関係を築くには絶好の機会である。何とか参加できないものか。しかし、国連事務局の反応は頑なだった。

「台湾とは公式に接触しないよう勧告する」--- 結局、私は休暇を取り、身銭を切って、個人としてこの会議に参加することに決めた。念には念を入れ、国連の名刺を持たず、国連とのかかわりを秘匿して渡航する。台湾にいた痕跡を一切、残してはならない。---

--- 台湾訪問の最終日、台湾政府の経済部国際貿易局を非公式に訪問することができた。彼らは実に効率的かつ優秀で、しっかりと安保理決議を履行しようとしている。このような政府を国連から排除している現状は、実に不条理と言わざるを得ない。北京はむしろ見習うべきである。

 今回の台湾訪問は、そのリスクに見合うだけの成果があった。関係の構築に加え、北朝鮮による、台湾からのCNC工作機械不正調達事件の全貌がようやく明らかとなったのである。台湾当局から入手した情報をもとに、台湾での裁判資料を探し出すこともできた。これがあれば安保理に報告できる。

 中国人の同僚は、あらゆる国連の文書に「台湾」という文字が入るのを徹底的に忌避する。---


 2011年2月25日、台湾税関当局は他国からの通報をもとに、桃園国際空港でコンテナ2個分の貨物を摘発した。オーストリアからの貨物で、北京─台湾を経由してベトナムに向けての途上だった。荷受人は「GAET(General Army of Economic and Technology)」という、ベトナムの軍事企業である。

 台湾当局が得た情報によると、貨物の中身は潜水艦のスペアパーツで、北朝鮮の「チョンソン・ヨンハプ・カンパニー」という会社が、GAETとの契約に基づいて調達、輸送していたとされる。アメリカ政府や国連安保理によると、この北朝鮮企業は、「青松連合」の別名である。

 ベトナム海軍はソ連製のユーゴ型潜水艇を保有しており、その修理・補修業務を請け負う北朝鮮から技術訓練も受けていた。おそらく1990年代にベトナムが北朝鮮から輸入した潜水艇ではないかと思われる。2004年にGAETが青松連合から様々な装備を購入して以来、両者は取引関係を維持してきたという。---

 ベトナム海軍が保有していたのは、ソ連製の古い潜水艇であり、そのような兵器の補修・修理を行える国は、北朝鮮以外にない。メンテナンスやそのために必要な部品、資機材の調達および輸送業務は、北朝鮮にとって重要な資金源となっている。ニッチだが、独占的な商売だ。---

 捜査過程で、オーストリア国内に北朝鮮にとって重要なビジネスパートナーが存在していたことが判明した。ジョセフ・シュワルツ。「シュワルツ・モーターボート・サービス貿易会社」の経営者である。彼は同社を拠点に、北朝鮮の複数の国連制裁違反事件に加担していた。--- 

 2011年、シュワルツは、青松連合の委託を受けて、製品や資機材をアメリカや欧州などから調達したうえで、オーストリアからわざわざ中国経由でベトナムとアンゴラに輸送していた。経済合理性を無視した迂回ルートは、制裁網をかいくぐるためと思われる。---

 また、シンポルテックス社は青松連合への支払いを外貨で海外送金している。送金先は中国の大手銀行の北京支店で、「キム・クァンホ」という個人名義の口座だった。この送金のコルレス銀行(海外送金の決済を代行する銀行)は、ニューヨークにある。つまり青松連合は、アメリカの単独制裁の対象となっているにもかかわらず、中国の大手銀行に個人口座を設けて、アメリカ経由で堂々と金を動かしていたわけだ。---


 一連の制裁違反事件にかかわったアンゴラとベトナムは、もとより北朝鮮と深いつながりを持つ国である。両国はともに、前述の取引は制裁違反ではないと主張している。---


--- それでもこの点を見落として、決議を誤解している国は依然として多い。

 その一つが日本である。日本に寄港する懸念貨物を検査・押収する根拠となる国内法は貨物検査特別措置法である。が、同法ではあくまでも取り締まる対象を「北朝鮮を仕出地とする」貨物または「北朝鮮を仕向地とする」貨物に限定しているのだ。

 日本政府に対して何度も指摘してきたが、2017年11月時点でも、この法律は変わっていない。安倍首相や歴代の外務大臣が、「安保理決議の完全履行を」と国連加盟国にたびたび呼び掛けてはいるが、法整備が遅れている国の一つは日本なのである。---


 ここで、この章の冒頭に記した「銀河3号」ロケットに話を戻そう。

 2012年12月12日(平壌時間)、この3段ロケットの1段目が黄海上に落下する。韓国海軍はそのほとんどを迅速に回収した。

 落下の衝撃で変形はしていたものの、そこから温度・変圧変換機やラジアル玉軸受(ボールベアリング)など、14種類、60点以上の外国製部品が見つかった。それらの大半が、当時は規制対象外とされていた市販品である。ソ連製のボールベアリング、中国製の電磁干渉フィルタやCCDカメラ、英国製の圧力変換器や温度変換器、電気抵抗器、スイス製の直流電圧変換器、アメリカ製の演算増幅器や集積回路、画像復号器、そして韓国製の同期型DRAM・・・・・。---


 専門家パネルでは、別の同僚が主導して捜査が始まった。韓国から提供された情報をもとに、銀河3号ロケットで使用されていた外国製品の供給ルートを探るのである。もっとも、ほとんどがあまりにも安価な量産品で、ネットで購入できるものも多く、捜査は難航した。

 その中の例外が、英国製の圧力変圧器だった。製造元が判明し、購入履歴をたどれる情報も見つかったのである。

 明けて2013年、専門家パネルの捜査が進むにつれ、ついにこの変圧器を購入した企業を特定した。「ロイヤル・チーム・コーポレーション(ロイヤル社)」。「まさか」と「はやり」が交錯する。私が以前、台湾当局から情報を得た事件にかかわっていた企業のひとつだ。2006年から2007年にかけて、北朝鮮に対して戦略的ハイテク製品の不正輸出を繰り返し、2007年に有罪判決を受けていた企業である。銀河3号から発見されたのは、この台湾企業が英国の製造元から2006年と2010年に輸入していた製品だった。

 ロイヤル社の代表者は陳淑貞といい、英語名は「アマンダ・チェン」。2007年に有罪判決を受けていた彼女は、再び北朝鮮への不正輸出に関与していたのだ。---




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 読めば読むほど、空しい想いが募っていきます。



 

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最近のいろいろ。


 溜まっている画像を少しだけアップします。

 まず、散策の途中に見た面白い雲です。

 雲.jpeg


 次に、ホテルニューオータニの庭園の画像です。

 滝が見えます。

 ニューオータニ 2.jpeg

 こちらは、庭園内にある料亭です。

 ニューオータニ 1.jpeg


 そして、こちらは、日本橋です。

 車で通ることはよくありますが、ゆっくりと歩いて見たのは初めてかもしれません。

 橋の真ん中にあるモニュメントです。真上を首都高が走っているので、ほとんどの人が目にすることはないのではないでしょうか。

 日本橋 3.jpeg

 この場所から橋の下を写すと、水が流れています。

 日本橋 2.jpeg

 橋を渡りきると、三越側にこんなモニュメントが建っていました。

 日本橋 4.jpeg

 モニュメントの足元には、このようなプレートが置いてありました。

 日本橋 1.jpeg

 ふーん、東京にも面白いものがあります。


 最後に、今日、散策の途中で見た風景です。

 山の上から見た風景です。

 ここまで登るのは、息が切れました。

 披露山から見た風景。.jpeg





 

 


 

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北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録 古川勝久著 新潮社①


はじめに 新橋にいたエージェント



--- 私は2011年10月から2016年4月までの4年半、国連安保理のもとで、様々な制裁違反事件の捜査に携わる機会を得た。それまで15年以上にわたり、北朝鮮の核・ミサイル問題の研究に携わってきた私にとって、制裁の現場で目の当たりにした数々のケースは、想像をはるかに超えるものだった。

 頻繁に聞かれる質問がある。

「なぜ北朝鮮は、『最強の制裁』を何度も受けながら、強力な核兵器やアメリカにまで届く長距離弾道ミサイルを開発することができたのか?」---

 あるいはこうも聞かれる。

「なぜ中国とロシアをはじめ、多くの国々が制裁に違反したり、北朝鮮をかっばたりするのか」---

 監視する側の現場で私の得た「答え」を、本書につづりたいと思う。---



1 北のフロント企業を炙り出せ


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--- 日本の司法分野の情報公開制度がここまで異質とは思ってもみなかった。他の国連加盟国であれば、こういう資料は各国の国連代表部が取りまとめ、国連に提出してくれる。--- 日本は「国連重視」を謳っているが、国内法や行政手続きは謳い文句に追いついていなかった。

 捜査を進めるうちに、他にも厄介な問題が出てきた。中国人に続き、韓国人の同僚も捜査を妨害し始めたのである。彼は私にとって二人目の韓国人の同僚だが、前任者と同じく、韓国外務省のキャリア外交官だ。

 彼は、日本の奢侈品制裁違反事件に韓国企業や在日の韓国籍保有者が加担していたことを知ると、私にかみついてきた。

「日本政府の輸出管理体制に欠陥があるから、韓国企業が巻き込まれたのだ」「日本政府は証拠を提出しておらず、韓国人が加担していたというのはいいがかりだ」

 中国人の同僚と同じ論理である。--- 自国の利益が絡んでくると、違反の摘発よりも隠蔽を優先させる。韓国人の同僚の動きは、中国やロシアとまったく同じだった。---



2 懲りない中国


--- WS51200の画像を見ると、北朝鮮の新型車両に酷似している。WS51200に迷彩色を施して、牽引車両部分の上に移動式発射台を据えつけたにちがいない。そうだとすると、北朝鮮は中国の軍事企業に対して、テイラーメイド(注文に応じて生産する商品)の最新型移動式発射台の基盤となる特殊車両を発注していたことになる。---


--- 中国政府はかなり神経質になっているようだ。我々の捜査には絶対に協力しないし、特殊車両の「顧客」が北朝鮮とも認めないだろう。

 中国は外交的メンツを異様なほどに気にする。国連の公式文書の中に、自国の企業や国民による制裁違反が記載されそうになれば、たとえ疑いとしてでも、断固として阻止しようとする。---


 今回のWS51200問題に関わっているのは、中国最大手の国営軍事企業の一社だ。中国政府の過剰反応ぶりは、中国人の同僚の様子にも表れていた。

 「メディアの情報など信用できるわけがない。こんな根拠のない情報を公式文書に盛り込むのはおかしい」---

 パネル委員全員の署名が揃わなかったことを理由に、中国政府は報告書を国連の正式な文書として採択することに反対し、結局「幻の報告書」となってしまった。--- 

 かくして、中国人の同僚は、国連安保理の歴史上、年次報告書への署名を拒否した初のパネル委員となった。中国政府としても、国連の公式文書採択に反対を表明せざるを得ない立場に追い込まれたことは、外交上、大きな失点となった。---


 2011年8月1日に、ワンシャン社の系列の貿易会社「武漢三江」は、カンボジア船籍の貨物船「ハーモニー・ウィッシュ号」で、南浦港に向けて、WS51200計4台を輸出していた。北朝鮮の荷受人は「材木貿易総会社」。また、ハーモニー・ウィッシュ号の運航事業者は「大連青松船務代理有限公司」。主な捜査対象は、この3社となるだろう。---

 これで捜査の突破口が開けそうだ。当然、中国側は徹底的に隠蔽を図るだろう。深く静かに潜行しなければならない。

 2012年6月10日、急いでニューヨークに戻った。捜査方針について至急、同僚たちと協議を行うためだ。日本で情報をつかんだことを中国側に悟られてはならない。声をかけたのは、信頼のおける同僚3名だけ。国連のオフィスは盗聴されているようなので、さりげなくビルの屋上に出て、話し合った。---

 翌日の昼過ぎのことだった。オフィスのパソコンで朝日新聞のニュースをチェックしていると、驚くような記事が、2本掲載されていた。

「中国、北朝鮮に軍事車両 昨年8月 安保理決議に違反」「日米韓、背信の黙認 疑惑の船、日本が物証」---

 あまりの偶然に、私はパソコンの前で固まってしまった。昨日、同僚たちに説明したばかりの内容だ。---

 ここまで報じられてしまった以上、中国企業に対する内偵はもはや無意味だ。

 朝日新聞の記事について、さっそく同僚に報告すると、すでに彼らは英文で読んでいた。--- 態度が心なしかよそよそしい。私が牧野記者の情報源と疑われているのだろうか。---


 2017年7月28日、北朝鮮は、内陸部の舞坪里付近から、新型ミサイル「火星14型」の2度目となる発射実験を行った。---

 火星14型は精緻な部品の集積といえる。それは、積載するWS51200でも同様である。発射台は、どんな悪路でも、ミサイルを水平に保てるようにコンピューターで姿勢制御されているはずだ。加えて、悪路を走り続けるわけだから、タイヤやサスペンションなどは消耗していることだろう。交換部品は不可欠のはずだ。

 北朝鮮は、果たしてそれらをどこから調達しているのだろうか。これらのスペアは、安保理の対北朝鮮禁輸リストには明記されていない。---




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 読み始めて、いきなり苦しくなりました。

 この仕事は、ストレスが掛かり過ぎます。

 耐えて、耐えて、、、、、、、。

 この仕事を、4年半もの間続けたこの著者は、只者ではありません。

 体力、精神力ともに、並大抵のものでは続けられません。

 読み続けるのが苦しい本でしたが、それでも、読むのを止めることはできませんでした。




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自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体      本田秀夫著 SB新書


--- この本は、「『自閉症スペクトラム』なんて聞いたことがない」という人たち、あるいは「自分とは無関係」と思っている人たちにこそ、ぜひ読んでいただきたいと思います。------- 


 この本のテーマである「自閉症スペクトラム」とは、一部の人たちに共通して見られる心理的・行動的な特性です。その特性をごく簡単に要約すると、「臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強いこと」となります。

 いま、「一部の人たち」と述べましたが、このような特性を多少なりとも持つ人は、一部どころかかなり大勢いる、という意見が聞こえてきそうです。

 その通り。自閉症スペクトラムの人たちは、実はそんなに稀な存在ではないのです。---


 わが国では、21世紀に入ってから、発達障害に関する啓発書がたくさん出版されています。「自閉症スペクトラム」とは、この発達障害という大きなくくりの中で論じられるてきたもののうち、「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」などの仲間の総称です。この仲間は、これまで正式には「広汎性発達障害」というグループ名でよばれてきましたが、近年、「自閉症スペクトラム」と呼ぶことを推奨する専門家が徐々に増えてきました。--- 本書では第3章で詳しく解説しますが、自閉症スペクトラムの中には、必ずしも障害者と見なす必要のない人たちが含まれます。---

 まだ耳慣れない言葉として感じる読者も多いと思いますが、この本を通して、皆さんが「自閉症スペクトラム」に対する理解を深め、その知識と知恵を日々の生活に活かしていただければと思います。---



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 と始まって、

 第1章 あなたも「自閉症スペクトラムかもしれない」

 第2章 特徴から理解する自閉症スペクトラム

 第3章 線引きが難しい自閉症スペクトラムの境界線

 第4章 自閉症スペクトラムの人をいかに支えるか  

 に続きます。



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--- 経済成長は何のために必要なのでしょうか?

 会社が収益をあげるためには、人々が消費しなければなりません。成長ばかりを近視眼的に追い求めると、流れから逸脱し、心の健康を損ねて、障害者として福祉的支援を要する人が増える。結果として、福祉的予算が必要となり、さらに消費する人も減るので、会社の収益も下がる。このような悪循環もあるのです。

 少しでも多くの人が、心の健康を損ねることなく働き、稼いだお金で消費する。それによって会社が収益をあげる。このようなよい経済の循環を生じさせるためには、社会全体の意識改革が必要です。それは、「適材適所」と「多様な働き方の受容」です。その前提として、「競争」ではなく「お互いさま」の価値観が求められます。---

 競争社会では、つい人間関係に優劣をつけようという価値観を持ってしまいます。でも、すべての人が1本の線上で優劣を競うだけでは、社会は成り立ちません。---

 自閉症スペクトラムの人たちは、少数派です。社会はどうしても多数派にとって便利なように作られますので、少数派の人たちにぴったりフィットする社会環境になりきれないところがあるのは、しかたのないことかもしれません。でも、お互いさまの価値観を持てる社会集団では、自閉症スペクトラムの人の長所を活かし、短所を否定せずにすむ社会的役割を用意できる可能性が広がります。それが、適材適所です。---


 自閉症スペクトラムの人たちの社会参加を促すためには、身近な人たちが自閉症スペクトラム特有の思考や感情の様式を学ばなければなりません。ここでは、そのための原則的な留意点を説明します。

 自閉症スペクトラムの人たちの行動には、必ず独自のパターンや法則があります。---

 自閉症スペクトラムの人たちが信用するのは、意見を聞いて理解しようとする人、信用しないのは、決めつけて人の話を聞かない人です。---

 自閉症スペクトラムの人たちは、論理的に筋が通っている人を信用します。言っていることとやっていることが矛盾する人は、信用されません。---

 安心できるなごやかな感情はよいのですが、それ以外の感情を示されると、自閉症スペクトラムの人たちは混乱しやすくなります。大事なメッセージを伝えたいときは、絶対に感情的にならないよう気をつけてください。---



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 まだまだありますが、後は省略します。

 そして、第5章 自分が自閉症ペクトラムかもしれないと思ったら・・・・・・

 に、続きます。



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--- もし、自分が自閉症スペクトラムかもしれないと思ったら、何かしておくべきことはあるでしょうか?

--- 以下の質問①、②について、「はい」「いいえ」で答えてみてください。---

 ① 〇〇さんは「臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い」という特徴があると思う

 ② いま、仕事かプライベートで、〇〇さんに関して困っていることがあり、その要因として①が関係している---

 誰かが①について「はい」と答え、かつ、②についても誰かが「はい」と答えた場合、あなたは自閉症スペクトラム障害かもしれません。---


 非自閉症スペクトラムの人は、自閉症スペクトラムの特徴がありながらも、自他ともに生活に困っていないわけですから、いまのところ、特に何かを変える必要はありません。

 ただ、職場や生活環境の変化でストレスが強くなることは、今後の人生の中でもあり得ることです。そのようなストレスに伴って心身の状態に不調を感じるようであれば、注意が必要です。自閉症スペクトラムの人は、二次的な問題が生じると、反応性の精神障害のリスクが高まりますから、無理をし過ぎないようにしてください。---

 自閉症スペクトラムの人たちは往々にして、熱中し過ぎて度を超えてしまいます。そうならないように、第三者の視点から助言をもらう習慣を持っておくと、大きな挫折を防ぐことができます。---



おわりに

 いま、精神科医の関心を最も集めているテーマのひとつが、発達障害です。---

 精神科医が関心を寄せているのは、発達障害そのものというよりも、むしろ発達障害が見落とされたままで、不適切な環境に晒された人たちに生じる二次的な問題です。言い換えると、「発達」に関心があるのではなく、「トラウマ」とその治療に関心がある医師が多いように思えてなりません。

 自閉症スペクトラムは、虫歯になりやすい体質に似たところがあります。虫歯になりやすい人は、そうでない人よりも日常の歯磨きを丁寧に行わなければなりません。歯磨きをサボり気味でいると、すぐに虫歯ができて進行してしまいます。でも、丁寧に磨きさえすれば、虫歯にならずにすみます。---

 自閉症スペクトラムの人の多くは、二次的な問題がなければ、ある程度の社会参加が可能です。でも、日常生活の中でのちょっとしたストレスで二次的な問題が生じやすく、いったん生じてしまうと、深刻なトラウマが残ってしまう恐れがあります。トラウマをできる限り予防するためには、日頃から、ストレスへの対応を丁寧に行っておく必要があるのです。---

 本文の中でも少しだけ触れましたが、実は、私自身も、非障害自閉症スペクトラムのひとりです。どういうわけか、私が親しくしている周囲の人たちにも、自覚している/いないを問わず、自閉症スペクトラムの人がたくさんいます。「類は友を呼ぶ」といったところでしょうか。

 微妙な対人関係よりも自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという特性は、診療で出会ってきた自閉症スペクトラムの人たちと大きく重なり合い、境界線など引けません。その意味で、私の臨床経験は、約50年にわたるプライベートな場面でも培われてきたと言えます。そこから得た、いわば生活の知恵が、この本の原点なのかもしれません。---

 この本によって、少しでも多くの人たちに自閉症スペクトラムへの関心を持っていただき、理解していただければと思います。また、この本を読んだ自閉症スペクトラムの人が、社会参加していくためのヒントを少しでも得ることができたとすれば、これに勝る喜びはありません。





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 この本を読むと、「自分も自閉症スペクトラムかもしれない」と思えてきます。

 この本の中でも触れているように、生活を送る上での「癖」と、「自閉症スペクトラムの特性」との境界線を引くことは難しいです。

 ストレスが引き金となって、二次的な問題が生じないようにするためには、自分を「俯瞰」する視点を持つことが大切のようです。

 

 

 

 

 








 


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愛着障害の克服  岡田尊司 光文社新書 ⑤


第7章  愛着障害の克服


--- 愛着アプローチは、本人の安全基地を強化することで、本人の中に備わっている回復しようとする力を活性化させる方法だともいえる。

 生きる意味さえ見失い、投げやりだった人も、何事にも自信がもてず、挑戦することから逃げていた人も、自分の中の問題を周囲に責任転嫁することで自分を紛らわしていた人も、愛着が安定するにつれ、自分の問題に向き合い、自分なりの答えを見出そうとし始める。大それたものでなくても、どんなにささやかでも、自分の手と力で見出した、自分なりの生き方を進んでいこうとし始める。

 そこから先は、本人を信じて、本人の進んでいく後をついていくように、一緒に進んでいけばいい。---

 ここから先は、本人が主役であり、本人の主体的な取り組みと努力によってしか進んでいくことのできない領域だ。もちろん、困ったときや迷ったときには、安全基地となる存在のところにやってきて、その存在と対話をする中で、自分の答えを見つけようとするかもしれない。しかし、最後の決断は本人が下すのであり、安全基地となる存在は、彼の悩みや迷いに付き合うだけである。

 本章では、愛着の課題を克服しようと決意し、自分からその問題に取り組み始めたとき、そこにおいて課題となることや、目指すべき方向について述べたい。---

 そもそも愛着障害とは、親の愛情に恵まれなかった人に起きた、愛着の傷に起因する問題である。--- 幼い子どものころであれば、何事も許してあげて、献身的に愛情を注ぐ気になれたかもしれないが、大きく成長した今となっては、つい常識的な考えになり、「いい加減にしろ」と思ってしまう。育て直しは、赤ん坊を育てるよりも、ずっと大変なのである。---

--- 愛着の課題を克服するためには、安全基地となる存在の媒介が、通常は不可欠である。親という本来の安全基地に代わる存在として、困ったときに駆け込める避難場所や、安心の拠り所を提供することで、本人の安定を図るとともに、本人が自分自身の課題に向き合うことを可能にする。

 身近な他者───先輩や上司、恋人や友人、知人などが安全基地となって、その人の悩みや相談を受け止め、回復と安定に寄与していく場合もある。

 しかし、そこにはしばしば落とし穴もひそんでいる。最初のうちは親身に相談に乗ってくれていても、次第に負担になってきて態度が冷たくなり、最後には拒否されてしまい、「信頼できる存在などいない」という思いを強くしてしまうこともある。

 また、恋愛やセックスが絡む場合には、性的に引き付け合っている間は、優しくされることで関係が安定するが、その時期を過ぎてしまうと、とたんに関心が薄れ、関係もギクシャクし始めるということも多い。---

 課題を抱えている人が真剣に向き合おうと思ったときには、せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、信頼できる専門家に助力を求めることをお勧めする。--- 専門家を選ぶ場合も、変にカリスマ性の高い人や、安請け合いをいする人は、用心した方がいい。

 まず大事なことは、その人自身が安定型の人であるということだ。---

 愛着が安定した人を見分けるための特徴をいくつか記しておこう。

 (1) 接していて、怖さや危険な感じがなく、安心できる。

 (2) 穏やかで、気分や態度がいつも一定している。

 (3) 目線が対等で、見下したような態度やおもねりすぎる態度をとらない。

 (4) 優しく親切だが、必要な時には、言いづらいことも言う。

 (5) 相手の意志や気持ちを尊重し、決めつけや押し付けがない。

--- 心理カウンセリングに熟練していて、愛着に課題を抱えたケースの回復を実際にサポートした経験をもっていることが望ましい。

 愛着が安定しているときの認知(物事の受け止め方)と、愛着が不安定になったときの認知は、同じ人であっても大きな違いを見せる。

 愛着が安定している人の認知の特徴は、不快なことがあっても、それを過大視せず、むしろ、いい面や背景に思いを巡らせ、嘆いたり攻撃したりするのではなく、理解し受容しようとする。--- 同じような悲惨な体験をしても、その傷から人間不信に陥り、悲観的な考えから抜け出せない人もいるが、一方で、そうした悲観的な考えにとらわれることを免れたり、一時的にそうなっても、再び見方を変え、希望と信頼を取り戻す人もいる。

 そこから、次のような希望的観測が生まれる。身に受けた事実が同じであっても、受け止め方を変えることによって、愛着が安定したものに変るのではないか。一言でいえば、「認知が変わることで、愛着を安定したものに変えることができる」のではないか。---

 支援者が熱心にかかわることで、愛着が安定し、絶対許せないと思っていた気持ちが次第に薄らいでいき、物事の受け止め方が変わり、ぎくしゃくしていた家族との関係も改善していく───というのが、最も自然な流れである。---

 問題にしっかり向き合うと同時に、客観的に事実を受け止め、過剰反応しないというスタンスと最も関係していると考えられるのが、「振り返る力」である。

 振り返る能力は、自らを反省する力であるとともに、相手の気持ちを推測し、汲み取る力でもある。さらに、状況から一歩下がって、事態を高みから俯瞰するように、大きな視点で眺める能力でもある。

 こうした能力は、リフレクティブ・ファンクションと呼ばれたり、メンタライジングと呼ばれたりする。メンタライジングとは、相手の行動の背後に、「心」という機能を想定することで、相手の行動を理解しようとする機能である。---

 振り返る力が高い人では、愛着が安定しているという事実から、振り返る力を高めれば、愛着が安定するのではないかという仮説が生まれる。---

--- メンタライジングは、過去の愛着の傷によって起きていることが、現在の愛着関係を破壊しようとしているという悪循環を明らかにする。愛着障害によって、過去に苦しめられただけでなく、現在も苦しみ、未来さえも台無しにしようとしていることに気づいたとき、その呪われた運命から一歩外に出ることができるのだ。

 過去の体験から現在、未来へと連なる歴史的な視野にたつとき、初めて人は、自分を動かしている個人を超えたものの支配に気づき、それに操られないことを学び始める。---

 愛着が安定した人では、つねに肯定的に物事を受け止めようとする。ありのままを寛容に受け入れ、悪い点より良い点に目を向け、その物事が与えられたことを喜ぼうとする。

 一方、愛着が傷を受け、不安定な人は、悪いところばかりに目が行きがちで、現状を喜ぶよりも、不満や怒りや攻撃が多くなってしまう。--- それは、損なことである。これを変えていくためには、物事をありのままに受け止めることが大事になる。悪いところを非難したり不満に思うよりも、良いところに目を向け、そこに満足や喜びを見出せると、ずっと生きやすくなる。---

 愛着が不安定な人に共通する特徴は、「許せない」と思うと、そのことにとらわれ、全部を否定してしまい、相手のいいところさえ見なくなってしまうことである。--- 許せないことは、その人からすると、絶対に譲歩できないとても大事なことなのだが、もっと大きな視点で見ると、本人自身の世界を狭め、他の対人関係にも影を落として、適応力をそいでしまっている。傷つけられた思いに執着することで、自分の存在価値を守ろうとしているのだが、客観的に見ると、自分を苦しめ、大きな損を蒙っている。

 では、どうすれば、それをうまく克服できるのか。

 「許せない」と思ってしまう原因は、一部分に過ぎない点を、すべて悪いと全否定にすり替えてしまう思考パターンにある。その根底にあるのは、物事を「良い」と「悪い」の二つに分けて考える二分法的思考であり、良い悪いで評価してしまうクセだ。

 この二分法で評価するくセは、親の期待に沿えば「良い子」、期待に反すれば「悪い子」とみなされ、罰を受けてきたことに由来していることが多い。かつて自分がそうされたように、「悪い子」だとみなした人を、許せないと全否定してしまうのである。--- さらに、この思考パターンは、物事の原因を説明するためにも使われる。

 うまくいかないことや思いに反することがあると、それは、相手が「悪い子」「悪い人」だからそうなってしまうのだと考えるのだ。つまり、うまくいかないことや嫌なことは、誰か「悪い人」のせいだという思考パターンが出来上がっているのである。---

 客観的に考えれば、「すべてが悪い存在」もいなければ、「すべてが良い存在」もいない。--- 人は失敗や過失を犯すこともあるが、「すべてが悪い」と考えることは、事実というよりも、その人の心が生み出す思い込みに過ぎないのである。---


 ここまで、「自分の視点を超え、もっと大きな視点で、自分だけでなく相手の気持ちや背景にまで思いをめぐらせる能力を育んでいくことが、愛着の課題の克服につながる」ということを述べてきた。そして、そのためには、安全基地となる存在の助けが不可欠だということも述べてきた。

 じつは、逆もまた真なりで、愛着障害の克服のための課題として述べてきた「振り返りの力」を高めることは、自分が誰かの安全基地になるための課題でもあるのだ。

 愛着障害を抱えている人は、愛着の課題を抱えることによって、自分が相手にとっての安全基地になれないという苦しみを抱えている。自分自身が、安心感や人との信頼や安定した対人関係をもてずに苦しむだけでなく、相手にとっても、良い安全基地となれないことによって、自分を愛してくれる人や自分の子どもに苦しい思いや寂しい思いをさせてしまいやすいのだ。そこに、愛着という問題の相互的な本質がある。

 したがって、愛着障害を克服することは、自分が生きやすく、幸せになるだけでなく、自分が愛したり、自分を愛してくれたりする存在を、生きやすくし、幸せにすることにもつながるのである。---

 愛着の課題を克服する手段は、どこか遠くにあるのではなく、あなたの最も身近なところにもあるのだ。---



おわりに


 これほど医学が隆盛を極め、莫大な医療費がつぎ込まれているにもかかわらず、人々の幸福度は下がりつづけ、心を病む人も増えつづけている。しかも、その人たちを苦しめる問題の多くに、医学は有効な手立てを提供できなくなっている。---

 こうした問題の背景に、愛着障害という困難がひそんでいるということが、ようやく認識されるようになったが、今起きている事態の深刻さは、そうしたことが一部の人にだけ見られるような問題ではなく、程度の差はあれ、一般人口の何割もの人にそうした兆候が認められるようになっているということである。

 それは何を意味するのか。そのことを考える上で忘れてならないのは、愛着システムは、対人関係だけでなく、人々の生存や心身の健康を支える根幹にかかわる仕組みだということである。そこが不安定になり、うまく機能しなくなるということは、我々の心身の健康を守る仕組みが機能不全に陥りやすくなっているということである。---

 多くの人が、生きることに、その意味や喜びを失いかけていることは、生物としての人間が何十万年、何百万年にもわたって維持しつづけてきた愛着という仕組みが、崩壊の危機に直面しているという事態を映し出しているように思える。

 医学には手に負えない問題が、愛着に働きかけ、愛着システムを強化するアプローチによって、しばしば改善するという事実は、まさに我々を苦しめているものの正体が、医学的な病である以上に、愛着という仕組みがダメージを受けることによって引き起こされた愛着システムの障害の産物であるということを裏づけているだろう。そのことは同時に、我々が直面している問題に対してどう対処すればよいかを、明確に示しているように思える。---



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 「愛着障害の克服」の章は、このように終わりました。

 著者は、旧来の「医学モデル」の姿勢に疑問を呈していますから、この結論に到達するのは納得と言えば納得なのですが、旧来の治療に慣れている私たちには、少々難しい結論ではあります。

 「自分の視点を超え、もっと大きな視点で、自分だけでなく相手の気持ちや背景にまで思いをめぐらせる能力を育んでいくことが、愛着の課題の克服につながる」。

 よくわかりますが、それが、非常に難しいことなのです。





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愛着障害の克服  岡田尊司 光文社新書 ④


第5章  安全基地の条件


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 子どもの安全基地となるはずの親が、自分の両親(子どもから見ると祖父母)の悪口を言ったり、別れた元配偶者への憎しみを吐き出したりすると、その子も祖父母に対して、あるいは、一緒に暮らしていない親に対して、否定的な感情を掻き立てられることになる。その子を守ってくれるのに役立ったかもしれない祖父母との愛着や、別れた親との愛着が傷つけられる結果、その存在は、その子の助けどころか、重荷になってしまう。

 さらに、自分が心の中で大切に思っている存在を否定する親に対しても、不信感をもつようになり、結局、その親自身も安全基地として機能しなくなる。

 愛着の傷は、こうした連鎖を生じやすい。気をつけるべき点だといえる。---

 親との不安定な関係を抱えていたり、夫の非協力的な態度に悩んでいたりなど、安全基地を持たない母親は、子育てと仕事の両方で切羽詰まっている。そのしわ寄せは、母親自身も子どもにとって安全基地となれないこととなって現れる。安全基地をもたないことが、相手にとっても安全基地となれない事態を招き、状況をこじらせていく。

 愛着とは相互的な現象である。愛着を活性化し、安定感を高めようとするならば、相手の冷たさをなじるよりも、相手に優しくすることに努めたほうがいい。そうすれば、相手も、心に優しさを取り戻すことができる。



 第6章  愛着タイプに応じた対処


--- 愛着スタイルは、パーソナリティのさらに土台ともいえる部分を動かしている。つまり愛着スタイルの人は、異なる言語と文化をもつ異国人のようなものである。この点を理解しておかないと、言語や文化の壁を無視して、コミュニケーションをしようとするような無茶ことになってしまう。すれ違いや誤解が起きてしまうことは必定だ。---

 それぞれの愛着スタイルに備わった思考の様式、感情や行動の表出方法の特性を知らないと、相手の真意をとらえ損なってしまう。---

 

 不安型(とらわれ型)愛着の人は、自分が受け入れられているかどうか、相手に認めてもらえているかどうかに敏感である。---

 自分を過度に責めるにしろ、逆ギレて相手を責めるにしろ、否定的なことに過剰反応するのが大きな特徴だといえる。このことが、自分を苦しめるだけでなく、周囲にとっても苦痛の種となりやすい。---

 過度に「良い子」か、過度に「悪い子」かでしか反応できないのは、不安型の人が「求めすぎる」とい体質をもっているためでもある。自分にも、相手にも、求めすぎてしまうため、完璧に応えることができれば「良い子」でいられるが、それが破れると、「悪い子」に様変わりする。---

 不安型の人では、不満や愚痴、取り越し苦労がどうしても多くなりがちだが、しっかり耳を傾け、おざなりな扱い方をしないことである。不安型の人は、共感されることで、何よりも救われるのだ。実際的な助言や支援は、その上での話である。---



 回避型の愛着の人は、カウンセリングに乗りにくいとされる。実際、カウンセリングにやってくるのは、圧倒的に不安型の人が多い。--- 

 たしかに、カウンセリングの進行は、不安型の人に比べるとゆっくりである。対人緊張も強い傾向があるし、自己開示が苦手で、警戒心も強いので、話が深まっていくのに時間がかかる。ぽつりぽつりとしか話さない人も多い。

 しかし、だからといって、回避型の人の改善にカウンセリングが役立たないということはまったくない。---

 回避型の人は、あまりブレないところがあるので、いったん変わり始めると、変化が安定して持続することが多い。つまり、変化を起こすのには少し時間がかかるが、いったん変化が起きると、逆戻りしにくいのである。---


 未解決型とは、親などの、その人にとって重要な愛着対象との関係において、大きな傷を引きずっており、その傷が他の対人関係にも影を落としているタイプである。

 愛着の傷となった出来事は、通常、物心がついた後に起きているので、思い出すことができる。親の死去、離別、離婚、親からの虐待、親の病気、経済的事情などによる親の不在、無関心、世話の不足などが良く見られるものである。---

 未解決型の人は、心にクレバスを抱えているようなもので、意識や人格の統合が脅かされる瞬間がある。それは、自分を傷つきから守るための手段でもある。不快な現実や記憶に向き合うことを避けるために、意識や記憶を飛ばしてしまうのである。

 目の前に迫っている不愉快な現実を忘れるために、我々がつねづね頼る手段といえば、飲酒や食べることで気持ちを紛らわしたり、ギャンブルやゲーム、買い物やセックスに夢中になることだったりする。ことに未解決型愛着の人は、こうした依存症になりやすいといえる。

 未解決型の人は、エンジンの一つにトラブルを抱えた飛行機のようなものである。もう一つのエンジンで、一見すると問題なく飛行できているように見えるが、余力がない。負荷がかかってさらに出力を必要とするようなときに、抱えている脆さが露呈する。急に失速したり、飛行が不安定になる。---

 

 未解決型の人では、心の傷となっている体験を引きずっている。ときには、その傷は現在進行形で、今も同じ状態が続いていることもある。過去のトラウマとして終わっておらず、今もトラウマを生み続けているのである。

 親子関係や夫婦の問題が絡んでいる場合には、こうしたことが起きやすく、本人の状態が安定し、前向きに変化していくためには、過去の傷への手当にもまして、まずこれ以上傷を生み続けないように、現在の親子や夫婦間の愛着関係に手当をすることが必要不可欠となる。---




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 これらを読むと、果たして自分はどうなのだろうと不安になってきます


 そう思う人は、少なくないのではないかと思います。


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愛着障害の克服  岡田尊司 光文社新書 ③


第3章  愛着の発見と、愛着理論の発展


--- 人々の思い込みを変えるには長い時間が必要であるが、それまでの常識では説明できない事実に着目する人も現れ始めた。その一人がイギリスの精神科医ジョン・ボウルヴィである。--- ボウルヴィは、母子の結びつきが破綻することによって起きる破壊的ダメージが、人間に限らず、動物でも見られることを知り、母子の結びつきを生物学的な現象として理解するようになった。そして、特定の養育者との結びつきが、幼い子どもの発達や安定にとって不可欠な役割を果たしているという確信をもつようになり、その結びつきを「愛着」と呼ぶようになったのである。---

--- 養育者との安定した愛着が果たす「安心感の拠り所」としての役割に、「安全基地」という絶妙の呼び名を与えたのは、ボウルヴィの研究協力者であった、心理学者のメアリー・エインワースであった。

 そして、彼女は、愛着理論に大きな発展をもたらすことになる。

--- 彼女に大きなチャンスをもたらしたのは、アフリカのウガンダへの転居だった。--- 彼女は、26の家族を9か月にわたり訪問して観察をおこなった。その結果、安定した愛着を育んでいる母と子では、一言でいうなら「母親が『安全基地』として機能している」ということを見出したのである。---

 安定した愛着が育まれているケースでは、母親はわが子の変化や兆候を見逃さず、素早く反応した。それに対して、愛着が弱い、あるいはまったく見られないケースでは、わが子の反応に無頓着で、泣いていても抱き上げようとしなかった。---

 さらに10年後、エインワースは、今度はアメリカのボルチモアで調査をすることになるが、その結果は、彼女にとってショッキングなものだった。

 ボルチモアは、カンパラとは対照的な、近代的な大都市である。驚いたことにそこでは、かなりの割合の子どもたちが、カンパラでは例外的だった反応を見せたのである。つまり、母親がいようがいまいが関係なく、遊びに熱中する子どもが多く見られたのだ。その子どもたちにとって、母親は安全基地として機能していなかったのである。

 衝撃とともに強い興味を覚えたエインワースは、愛着の質を判定するための方法を考案する。それは「ストレンジ・シチュエーション・テスト」と呼ばれる検査である。---

 一群の子どもは、母親がいなくなると、不安そうにしておもちゃで遊ぶのをやめるが、母親が戻ってくると、安心して遊びを再開する。このタイプの反応は、母親との愛着が最も安定しているタイプの子どもに見られ、「安定型愛着」と呼ばれる。

 それに対して、母親がいなくなっても、無関心に遊びを続けている子どももいる。戻ってきても、とくに再会を喜ぶわけでもなく、自分の遊びに熱中している。このタイプの子どもは、普段の生活の観察でも、母親に甘えることが少なく、母親との結びつきが希薄で、「回避型愛着」と呼ばれる。--- ボルチモアの子どもたちが、母親がいなくてもおもちゃで遊んでいることに、エインワースは驚いたのだが、ウガンダではごく少数しか見られなかったこの回避型が、ボルチモアではずっと高い割合を占めたのである。

 さらにもう一つのタイプでは、母親がいなくなると過剰なまでに不安がり、母親が戻ってきてもなかなか自分の遊びには戻ろうとせず、母親がいなくなったことに腹を立て、せっかく戻ってきた母親を拒否したり、叩いたりする。あるいは、またいなくなるのではと、不安が続いてしまう。

 このタイプは、過剰なまでに母親にしがみつこうとする一方で、母親が抱こうとすると抵抗したり、攻撃したりするというアンビバレントな反応をすることから、「抵抗/両価型愛着」と呼ばれる。

 エインワースは、この三つのタイプに分類したのであるが、後に、彼女の弟子であったメアリー・メインが、もう一つのタイプがあることを発見する。

 それは、ほかのどのタイプとも違い、母親と再会したとき、凍り付くように固まったり、強い当惑を見せたり、そっぽを向いたまま近づいたりという奇妙な反応を見せるタイプである。--- このタイプでは、一定した愛着パターンが確立されておらず、さまざまな反応が混在して見られることも特徴だった。このタイプは「無秩序型(混乱型)愛着」と呼ばれる。

 お察しかと思うが、虐待されている子どもに典型的に認められるタイプである。---


--- メインはこうした方法を用いて、40の家族において子どもと両親の愛着タイプを調べたのである。その結果は、驚くべきものであった。1歳のときと6歳のときの子どもの愛着タイプが、多くのケースで一致していただけでなく、母親の愛着タイプとも、かなりの割合で一致していたのである。---

--- このことは、愛着の安定性やタイプが、その人一代の問題にとどまらず、子や孫にも伝播しやすいという事実を示唆している。虐待が連鎖しやすいことや、同じような不幸が一つの家系にくり返されやすいという経験的な事実は、不安定な愛着が世代を超えて伝播しやすいという特性によって、ある程度説明できるだろう。---




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 母親のあり方が問われています。


 私はどうであったろうかと、考えさせられます。


 「第4章  症状を治すのではなく、愛着を改善する」は、具体例の紹介ですので飛ばします。





 

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雪景色。


 気候温暖なこの地方ですが、今日は、久し振りに本降りの雪です。

 雪景色 1.jpg

 雪景色 2.jpg

 予報では、明日は晴れとなっています。

 お陽さまが当たる南側の屋根の雪は、少しずつ解けて流れるのですが、陽が当たらない北側の屋根の雪が非常に厄介です。北側の屋根に残ったが雪が、道路に落ちた後、カチンカチンに凍ってしまいます。

 道路を通る人たちの迷惑になります。

 スコップで掬って側溝に落とすのですが、これが重労働です。

 雪の多い北国の人たちと比べれば、大したことではないのでしょうが、滅多に雪が降らないこの地方に暮らす人間にとっては、なかなかに厄介な作業です。

 降っているときは美しい雪ですが、後が非常に厄介です。



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